絶滅危惧鳥種オオセッカとラムサール条約登録湿地「仏沼」の保全活動と法人設立の経緯
オオセッカはスズメ目センニュウ科に属する東アジア固有の小鳥で、日本では東北地方と関東地方の湿性草原5ヵ所に約3,000羽のみが繁殖しています。その希少性と局所性のため絶滅のおそれが極めて高く、「種の保存法」の国内希少野生動植物種および「環境省レッドリスト」の絶滅危惧ⅠB類に指定されています。青森県三沢市の仏沼はオオセッカの日本最大の繁殖地で、日本に生息する約半数が当地で繁殖します。また、オオヨシゴイやチュウヒ、シマクイナなど他の絶滅危惧鳥類も多数繁殖しています。当地では日本野鳥の会青森県支部によって、オオセッカの生態調査と仏沼の環境保全を目的とした「おおせっか村づくり」が1982年より行われ、保護区設立のためのナショナルトラスト運動が全国規模で展開されました。この保全活動は2003年に設立された「特定非営利活動法人おおせっからんど」に引き継がれ、現在も継続されています。2005年には、仏沼は「国指定鳥獣保護区特別保護地区」および「ラムサール条約登録湿地」に指定され、法的かつ国際的な保全が図られています。